本を買い取ってもらうって、どうすればいいの? 2

前回のブログでは古本買取の疑問について、3つの内の2つにお答えしました。


ここまでで少し雰囲気をつかんでいただけましたか?

 


それでは今回は残った1つ

「いくらぐらいで買い取ってくれるの?」


について、


買取のメカニズムがどうなっているのかをお話させていただきます。

 


最初に古本業者の商売がどのように成り立っているかからお話しましょう。

一言で言うと


利益=価格ー費用 です。


これはあらゆる商売の基本です。

 


つまり、商売を成り立たせる為には利益を上げることが必須になります。
 
その為には出来るだけ費用をかけずに高い価格で売る。

これが理想です。


でも、果たしてそれが正解なんでしょうか?


長い目で見れば正解とも言えるのですが、


実は一つ欠けているものが有ります。


それはお客様の視点です。


つまり出来る限り高く買い取った商品を出来る限り安い価格で販売する。


先ずはお客様に喜んで貰う、これです。


そして長い目で見て安定した利益を得ることです。

 


次に販売価格について見てみましょう。

 


一見これは売り手が自由に決めることが出来そうに見えそうですが、


そんなことは有りません。


お客様が判断した価値とかけ離れていては全く意味がありません。


例えば駅で売ってるような週刊誌を何万円もの価格で売ろうとしても


そんなものは誰も買いませんよね。


どうしてもそれを売りたければ、もはや詐欺に走るしか有りません。


つまり実際の価値に幾ら勝手に価値を上乗せしたつもりでも、


そんなものは実際には価値をもたないということです。

 


一方、買取価格の方はどうでしょうか?

こちらは私たちが自由に決めることが出来ます。


もちろん、ものを売りたいお客様から買取価格に納得をいただけなければ、


この取引は成立しません。


しかし、私たち業者は何がしかの利益を上げなければ商売になりませんから、


送料や倉庫費、包装費などの費用を捻出できるだけの買取価格を設定する必要が有ります。


更にもう一つ、


私たちには大きなリスクが有ります。


それは買い取ったその商品が本当に売れるかどうかです。


絶対それが売れるのであれば、それはそれでとても結構なことですが、


絶対売れるなんてことは少しの例外を除いてあり得ません。


つまり、必ず売れ残る商材が発生するのです。


その結果、売れ残った商材を仕入れるのにかかった費用はパーになってしまいます。


それが私たちの抱えるリスクです。


それこそが商材を買取するとき、


私たち業者にとって最も頭を悩ますところなのです。

 


ですから、販売価格が高く、更に販売に要する期間が短いもの

つまり買取のリスクの低いものほど、


高く買い取れるという訳です。


こんな商材であれば定価の4割から5割ぐらいの買取価格をつけることも可能です。


逆にちょっとやそっとじゃ売れそうもなく、


仮に売れたとしても安い価格でしか売れないものは買取のリスクが大きく、


高い価格では買い取れないことになってしまいます。


こんな商材の場合は幾ら定価が高かったものでも5円~10円程度にしか買い取れないことも有り、


中には買取をお断りせざるを得ないことも有るのです。


「こちらは買取り出来ないんですよ」と、


買取りを断られて気を悪くした経験のある方もいらっしゃるでしょう。

 


実際、私たちが最も気を遣うのはそのあたりです。

お客様が大切にされていた本だからこそ、高く売りたいと思うのは当然です。


私たちも出来る限り高く買い取らせていただきたいと思っています。


でも、現実は買取価格0円も珍しいことではありません。


一つ例を上げると、「百科事典」です。


今から40年ほど前、小、中学生ぐらいの子供がいる家庭では


全30巻も有るような百科事典が鎮座する光景が当たり前のように見られました。


当時でも10万円は下らないような高価なものがです。

ところが今はどうでしょう?

 

知りたいことはネットを使えばたいていのことは


最新の情報が瞬時にそれもタダで知りえる時代になりました。


百科事典の社会的な使命は終わりました。


ですから、さしもの私もこれは買取をお断りせざるを得ません。


中には「10万円で買ったものが何で0円やねん!!」


と、気分を害される方もいらっしゃいます。


これは極端な例ですが、


私たち業者はそういったリスクも一緒に買い取らざるを得ないことを知っていただけると、


とても有りがたいと思っています。

 


さて、そろそろ話をまとめましょう。

私たちが買取価格を決定する要素は


販売価格に対して費用とリスクを差し引いた価格になるということです。


ピンときてもらえましたか?


「そんな説明で分かるか!」


とおっしゃる方も多いくいらっしゃるでしょう。


そのあたりは今後


具体的な例を上げながら更に掘り下げて


お話させていただきたいと思います。

 


長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。